映画では母親役・大楠道代との
掛け合いも見どころ
直木賞作家・角田光代の同名原作を映画化した「空中庭園」。監督が覚せい剤所持で逮捕され、一時公開が危ぶまれる騒ぎもあったが、今週末に封切りを迎える。映画は、小泉今日子が演じる主婦・絵里子と、何事も包み隠さない彼女の家族を描いたドラマ。一見するとオープンな円満家族だが、次第に彼らの嘘と欺瞞に満ちた心理が明らかになっていく。
「普通、家族を描いた映画ってアットホームな話になりがちですが、角田光代さんが描く女性像は幻想や少女性を取り払ったリアルなもので、登場人物の感情はものすごくねじれているんです。脚本にもそれがよく表れていて、面白いと思いました」
小泉が映画に主演するのは、実に4年ぶりだが「もともと映画の出演数が少ないので、4年といってもそれほど長いとは感じないですね」と、彼女自身に気負いはない。「男がカッコいい映画はたくさんあるのに、女がカッコいい映画が少ないな、作りたいなって思ってたんです。そんなとき出会ったのが豊田監督であり、『空中庭園』だったんです。原作を読んで、さらに期待がふくらみましたね」
自身が演じた主人公・絵里子の印象は?
「彼女は母親との関係が満たされなかった関係で、どこか幼い。母を超えようと悲しかったことだけを大事にしている。私は15歳頃からこの仕事を始めて、いろんな人に出会って早く自立したから、コミュニケーションの欲求不満はありません。でも、落ち込んだときに入ってしまう穴というか、弱点みたいなものって、誰にでもありますよね」
10月8日より、ユーロスペース、シネマジャック&ベティほかにて全国順次公開。
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